教師・教員の転職事情</h2>

転職は企業に勤めている会社員の方だけのものではありません。
実際に昨今では教師、教員の方が企業へ転職するケースも増えているのです。

確かにビジネスの場にいた会社員の方と比べると、教師・教員の方々の転職活動には不利な部分があるのは否めませんが、それでも転職を考える理由はどのようなものがあるのでしょうか？
また、教師・教員の転職はどのような点が不利で、転職のためには何を活かせば良いのでしょうか？

こちらのページでは、教師・教員から転職をする際に覚えておきたいポイントをご紹介していきます。

教師・教員が転職を考える理由

転職を考える理由はさまざまですが、教師・教員の方々の転職理由は会社員の理由とは少々異なります。
代表的な理由をピックアップしてみましょう。

◇勤務時間・休日などの労働環境

昨今ではだいぶ改善されてきましたが、授業時間以外の部分に時間が割かれるケースが多い状況もあります。
授業の準備や部活動、委員会活動、学校行事の対応や保護者対応などが通常の勤務時間内に収まりきるはずもなく、時間外労働や休日返上で行うこともあります。

◇ストレス

代表されるのは保護者からの理不尽な要求や時間を問わない連絡など、保護者から受けるストレスですが、教師・教員同士の人間関係でストレスを抱えてしまうケースも少なくありません。
それぞれが忙しい教師・教員同士の関係がギスギスしてしまい、働きにくい、パワハラを受けたなどの問題も出ています。

◇将来への不安

一般的な企業のように評価基準がはっきりしないため、やりがいを失ってしまったり、労働環境の不満やストレスフルな環境から将来的な不安を抱いてしまったりするケースもあるようです。

教師・教員の転職が不利と言われる理由

教師・教員の転職は不利、難しいといわれるのはなぜでしょうか？
企業の採用担当者などが挙げる懸念材料を以下にご紹介します。

公務員の給与ベースの高さ

公務員である教師・教員の場合、一般的な民間企業と給与を比較すると給与ベースが高い傾向です。
「安定した給与」は公務員を選ぶ方々の理由の一つに挙げられますが、結果として転職活動後には給与が下がってしまうということにつながりかねず、

「この給与で満足してもらえるのか」
「教員時代ほど稼げないからやめてしまうのでは？」

という懸念を抱かせてしまうようです。

ビジネス経験の少なさ

企業での就労経験がない教師・教員はまだまだ多いため、一般的な就職活動を行っていないケースも少なくありません。
学校生活では生徒と保護者、教員仲間というビジネスとはかけ離れた関係性の中で業務を行うため、数字を追うような経験もなく、ビジネス面での活躍が見えにくいというデメリットもあります。
転職活動時に業務に役立つ強みや経験をアピールしにくい点も、スムーズな転職活動が行えない理由の一つです。

転職時期、入社時期が限られる

学期制を取り入れている学校では、現職の教師・教員は年度途中での退職が難しいばかりか、転職活動もままならない状況です。
結果として、企業が望むタイミングでの入社が叶いにくく、転職しづらくなってしまうのです。

教師・教員が転職を成功させるポイント

では、転職を考える教師・教員が転職活動をスムーズに行い、転職を成功させるためにはどのような点に気をつければ良いのでしょうか？
実際に民間企業への転職を成功させた、元教師・教員の方々の体験談をもとに、転職のポイントを挙げましょう。

ポイント1：教員資格と経験が活かせる職種を探す

教師・教員と言えばやはり「教員免許」です。
免許を持ち、教育の現場で活躍したことは民間企業の経験しかない転職者の中では珍しい存在でしょう。
学校や塾の講師、教育に関連した企業の仕事などのほかに、近年では児童福祉の仕事なども人気のようです。

ポイント2：エントリーシート、職務経歴書の準備

エントリーシートや職務経歴書を書いたことがない方もいらっしゃるため、応募前から自分のアピールポイントや経験の棚卸など行い、アピールできる応募書類を書けるように準備しておきましょう。

ポイント3：転職のタイミングを考える

転職を成功させた教師・教員の方のほとんどが学期の終わりの3月末退職、4月入社を前提に転職活動をしています。
学校行事や部活の大会などで転職活動を先延ばしにしてしまうと、ズルズルと転職できずに時間が過ぎてしまうことも。
中途採用は企業のタイミングで採用を行うため、しっかりとした転職スケジュールを立て、余裕をもって活動できるようにしましょう。

ポイント4：PCスキルを磨いておく

民間企業に比べて、学校はICTが遅れている傾向があり、教師・教員の中にはPCスキルが弱い方も多く見受けられます。
中途採用の場合、即戦力で活躍するにはPCスキルが必須ですので、PCに苦手意識がある方、PCスキルに自信がない方は転職を考えると同時にPCスキルを磨いておきましょう。

教師・教員の転職を成功させよう！

教師・教員の民間企業への転職は、現職の忙しい仕事の合間に行わなくてはならないため、不利な点も多く綿密な計画とスムーズに転職活動を行うための準備が必要です。
転職を考えている教師・教員の方は、こちらのページでご紹介したポイントや理由を参考にし、転職活動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか？